NEWS PAPER東山便り

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東山デンタルクリニックの、院内新聞

身体は知っている

歯科医師の大場です。歯科で問題になる身体の使い方の癖、TCH(tooth contacting habit=歯をくっつけ続ける癖)が、大人では知覚過敏、顎関節症、歯周病、歯の破折など痛みに繋がるものを引き起こしますが、子どもでは顎の成長や上下顎の位置関係、歯の並びに影響してきます。

 

『身体は知っているよ、邪魔してるのはあなたの思考だよ』

 

これはアメリカ留学で学んだアレクサンダーテクニークの恩師Giora の言葉です。アレクサンダーテクニークは自分の芯から繋がる身体(心と体)の使い方の体験を繰り返し身体に馴染ませていく事、普段無意識にやっているそれを邪魔する癖を自分で気づいて辞めていく事を合わせてやっていきます。

 

赤ちゃんを見ていると、産まれたて、まだ緊張反射が強くて縮こまっているのが徐々に開いていき、見たい触りたいの興味のままに自然に動きが生まれ、色んな物をしゃぶったり触ったり、首をもちあげたり、寝返りしたり、ハイハイで自由に動き回ったり。こうして同じように見える動きを繰り返しながら、徐々に動きを獲得していく様は、種が芽吹き、芯から徐々に手足に向けて水が吸い上げられていくようで『身体は知っている、芯から繋がる身体の使い方』の基礎はここで築かれるのだなとつくづく思いました。“身体は知ってるよ”子ども達の自由な動きを邪魔しない様に見守る事の大事さを改めて感じました。

 

『邪魔している思考、身体の癖』あなたもしてるかも?どんなモノ?いつ作られた?

 

アレクサンダーテクニークやシュタイナー教育は教育芸術と言われているのですが、東山デンタルクリニックが大事にしている予防歯科もただの理想の押し付けではなく、人それぞれ合うものを一緒に探す教育芸術でありたいと思っています。健診やお母さん教室を通じて発見、気づきがあり、個人個人に馴染む予防法が見つけられるといいなと思います。

 

余談、産休していたこの一年、以前から興味のあったシュタイナー教育に算数教育を通じて触れました。写真は私の5年生をイメージしたアクティビティーです。一重のバラから分数、公倍数の規則性がみえてきます。これに気づいた時は、世界の景色が一変する程の感動がありました。

 

東山院内新聞21年6月より

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